ハチミツ泥棒は真剣な眼差しで木々の間を走り抜けていく。
川のせせらぎや鳥たちのさえずりも今は耳に入らない。
大きな体にそぐわない小さな自転車が、ミシミシと音を立てる。
背中で揺れる黄金色のハチミツは太陽の光をうけてキラキラと輝く。
蜂たちはブンブンと音を立て、羽根をつけたクマを追いかける。
離陸する飛行機のように速度を上げるクマを、入道雲が笑っている。