高校生の頃に山田かまちの詩集を読むと、それからずっと文字を扱う仕事に憧れた。
詩をたくさん書いた。
でも、詩と職業は結びつかなかった。

ある日、知り合いのつてで、大好きだったバンドの作詞を担当していた人と飲む機会を得た。
せっかくだからと、自分の詩を読んでもらった。
すると、バンドマンから「この詩には、まったくインスピレーションが湧かない」と言われてしまった。
強いショックを受けた。
…そして、なんとなく書かなくなった。

その後、一般事務職に就き、数年後にはウェブデザイン事務所に転職。
さらに数年後にフリーランスになり、その後イラストを描き始めた。

猿岩石の片割れが芸能界を出入りしていることが叩かれている記事を見かけると、自分も創作の世界を出たり入ったりしてきたので、他人事に思えない。
その時々で、それが最善だと思って選んでも、やっぱり向いてないかなと迷うことが僕は多い。
ここが最後の安住の地かどうかはわからない。
それでも一生懸命、今を頑張り続けることしかできない。
“迷走は人生の醍醐味だ”と心から言えるその日まで。