約束は不思議だ。

ささいな約束ほど心に刺さったまま、小さなトゲのように残ったりする。

冷えた紅茶のように渋味だけが濃くなった約束。

思い出すとほろ苦い。

あの日に誓いあったことを、この人はまだ覚えているだろうかと思うけど、口に出すことはない。

自分にだけ残ってしまった片方だけの約束は、もう土に還そうと思う。